基礎技術を持ってるって、強いんです
「メーカーが技術持ってるって当たり前では?」
もちろん、仰るとおりです。
ここでは、もっと根幹の「基礎技術」のお話です。
家電製品がどんどん複雑になり、一つの製品の中の部品を、全て自社で供給できるメーカーはほとんどありません。
自社の製品にライバルメーカーの部品が使われていることは普通のことになっています。
「撮像素子(イメージセンサー)」
みなさんがお使いのデジカメ、デジタル一眼はもちろん、携帯電話(フィーチャーフォン)、iPhoneやAndroidやWindows Phoneなどのスマートフォンの「カメラ機能」でレンズの奥にある光を受け止めて電気信号に変換する部品です。
フィルムカメラに例えると「フィルム」に相当します。
そして「撮像素子」の世界で大きなシェアを持っているのがソニーです。
ソニーのデジカメなどはもちろん、他社のデジカメや携帯電話、スマートフォンなどにも採用されています。
もちろん、特徴が無いと他社に買ってもらえませんが、ソニーの場合は「高付加価値」で採用されています。
ソニーの高付加価値、それは「高画質」・「高感度」です。
最新の「裏面照射CMOSセンサー”Exmor R”」はコンパクトデジカメではミドルクラス以上で採用されることが多く、室内などでの高感度撮影に役立っています。
(デジタル一眼に採用されていないのは、そもそもセンサーサイズが大きいので高感度・高画質なため、裏面照射CMOSセンサーである必然性がないからです)
このソニーから新しい撮像素子開発の発表がありました。
カメラの進化を実現し続ける次世代の裏面照射型CMOSイメージセンサーを開発
裏面照射CMOSセンサーが発表された時も、素人の私には良く分からないなりに、「逆転の発想で発明された」と理解していましたが、今回の発表も同様に、「さらにそこまで突き詰めたのか!」と理解しました。
上記リンク先の「サンプル出荷時期」というのは、まさに他社に買ってもらうためのサンプル品の出荷時期、というわけです。
早ければ2012年末、2013年にはこれらのセンサーを採用したスマートフォンが市場に出回るでしょう。
ソニー自身もスマートフォンを手がけていますが、他社のスマートフォンが売れることでも「ソニーの撮像素子も出荷数が多くなる=ソニーグループの売り上げが上がる」、というワケです。
これらの基礎技術を持ってなかったら、機能・性能が横並びとなり、価格競争に巻き込まれてしまうでしょう。
私が件名に書いた「基礎技術を持ってるって、強いんです」というのは、これが理由なのです。
ちなみに、業務用ビデオカメラの最高峰、ソニー「CineAltaカメラ」には、なんと有効画素数約1900万画素の超高解像大判8KCMOSイメージセンサーが搭載されています。
(ハイビジョンの8倍の画質。映画製作用です)
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